阪野クリニック 岐阜いびき睡眠障害センター
北米の睡眠障害専門施設での臨床経験を活かした睡眠治療
阪野クリニック 岐阜いびき睡眠障害センターは2011年3月に開設されたクリニックで、岐阜中央郵便局の斜め前、名鉄岐阜駅とJR岐阜駅からも近く、アクセス環境のよさは抜群です。循環器内科と睡眠障害を専門とし、カナダ有数の睡眠障害施設に2度留学して最先端の睡眠治療のノウハウを体得した阪野勝久先生にインタビューしました。
もともとのご専門は循環器内科ですが、睡眠障害を専門にしようと思ったのはどのような経緯からですか。

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愛知医科大学卒業後、同大学附属病院の循環器内科でローテート研修を受けているときに、循環器疾患との関わりが深い睡眠時無呼吸症候群を研究するチームがあり、そこで循環器系に大きな影響を及ぼす睡眠障害に関心をもちました。当時、国内では睡眠障害を学ぶことのできる病院が限られており、思いきって、カナダでも有数の睡眠障害専門施設であるマニトバ州立大学医学部St.Boniface病院の睡眠障害センターに留学することにしたのです。その頃、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群:RLS)、レム睡眠行動障害などの睡眠障害は非常にマイナーな存在でしたが、将来的にはこれらの睡眠障害に対する認知が高まり、いずれ日本でも睡眠障害専門施設に対するニーズが増えていくだろうという確信が私の中にありました。循環器系を専攻していながらマイナーな領域を専門とするのはある種の賭けでしたが、迷わず留学することにしました。 |
マニトバ州立大学の睡眠障害センターでの留学はどのようなものだったのですか。
留学先では睡眠医学の権威であるKryger教授に師事する機会に恵まれ、多くのことを学ぶことができました。カナダでも有数の睡眠障害専門施設ですから、各地域から集まってくるさまざまな睡眠障害の患者さんを診ることができ、睡眠医療に関して数多くの研鑽を積むことができたと思います。たとえば、RLSの診断に際して、Kryger教授は問診で必ず献血歴を聞くようにしていましたが、RLS患者の中には頻回な献血歴のある場合が少なくないからです。また、RLSの原因で多い鉄欠乏性貧血患者では氷をガリガリと食べる氷食症を呈するケースが少なくないことから、このような氷食症の有無も問診の手掛かりにするなど、Kryger教授独自の教えを学べたことはとても貴重な経験でした。
Kryger教授からは睡眠障害を専門にするにあたり、「睡眠障害の専門医であると同時に、よき内科医になりなさい」と教えられました。内科というのはいろいろな領域のベースになるものですし、睡眠障害もあらゆる疾患にかかわってくる病気ですから、その双方を診られるようにするのは非常に合理的な考えといえます。Kryger教授の指導に従い内科専門医の資格を取得し、現在、睡眠障害と内科・循環器内科の2つが私の専門領域となり、診療の軸となっています。
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睡眠障害と内科・循環器系疾患はどちらも有病率が高い疾患ですから、双方を診ることができるというのはクリニックの強みといえますね。
患者さんにとって、トータルに相談できる環境というのはメリットがとても高いと思います。内科・循環器系疾患の患者さんで睡眠障害をもっている方は少なからずいらっしゃいますので、別々の医療機関にかかるよりは1つの施設で診てもらった方が患者さんにとっては時間の節約にもなりますし、費用負担も抑えることができます。
また、できるだけ患者さんのQOLを高めるという観点に立って、肥満外来や禁煙外来、子ども無呼吸いびき外来を設けているほか、男性であれば育毛外来(男性型脱毛症の治療)やED外来(勃起障害の治療)、女性であればアンチエイジング外来なども行っています。たとえば、睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対しては、一般的にはCPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)や医療用マウスピースを用いた治療を行いますが、肥満の患者さんの場合には、加えて根本的な治療としての肥満の解消にも取り組まなければなりません。しかし、患者さんの中には、運動療法や食事療法を行ってもなかなか痩せないので困っている方がいます。そのため、肥満症に対して漢方治療を取り入れたり(保険適用)、海外で認可されている肥満治療薬を自費診療として提案することも積極的に行っています。 |
患者さんの観点を重視した医療に取り組まれているということですね。こちらのクリニックは岐阜市街地にありますから、通院の利便性が高そうですね。
そうですね。働いていて通院の時間がとれない方々にもなるべく時間をとらずに通院できる環境を整えたいと思い、立地にはこだわりました。内科・循環器系疾患や睡眠障害の治療の場合、長期にわたって通院しなければなりませんので、アクセス環境というのは治療を継続する上においても欠かせない要素だと思います。当院は名鉄岐阜駅とJR岐阜駅から近くにあり、岐阜市だけではなく、稲沢市、一宮市などの名古屋方面、および各務原市、犬山市方面からも、いびき・睡眠障害の治療を求めて来院されています。
また、できるだけ診療にかかる時間も短縮するよう診察・予約システムも工夫しています。たとえば、来院された患者さんはまず複数ある予診室でコメディカルがあらかじめ予診を行い診療時間の効率化を図ると同時に、次回の予約を先に確定するシステムにしています。これは診察後に次回来院日を予約するシステムだと患者さんに来院日の変更希望が生じた際に処方せんの変更が必要になり、システムとして非効率となるために取り入れたものです。また、院内処方にしていますので、診察と処方薬の受け取りまでをワンストップででき、患者さんの来院に伴う時間的負担をできるたけ軽減するよう取り組んでいます。
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RLSの診療についてお伺いしたいのですが、疾患の認知度は少しずつ高まっている印象でしょうか。
以前に比べれば高まってきている印象はありますね。患者さんの大半は事前に症状をインターネットで調べて来院されています。逆にRLSの認知度が上がってくると、似たような症状を呈したRLSでない患者さんも増えてきていますので、さまざまな検査を行っても原因のわからないしびれや神経障害を呈する患者さんに対しては、ときに神経内科・心療内科的な対応も必要になってきます。
ただ、RLSの場合には血液検査などで二次性の可能性を除外しておくことは大切ですが、問診のみで診断がつくケースが大半です。そのため、RLSの確定診断に関してはそれほど困難ではないと思います。一方、周期性四肢運動が想定される場合には終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)を施行しています。
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RLSの治療に関しては、いかがでしょうか。
ドパミンアゴニストのプラミペキソールがよく効きますので、コントロールが比較的容易な疾患といえます。実際に、9割以上の患者はプラミペキソールにより良好にコントロールできています。また、鉄不足のために二次性のRLSを呈している患者さんの場合には、鉄補充療法の効果が得られるまでに時間がかかるため、治療初期にプラミペキソールを併用するようにしています。
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RLSの診断と治療に関しては比較的容易というお話でしたが、RLS診療の課題はどのような点にあるか、また施設としての今後の取り組みについてお聞かせください。
RLSの診断と治療はそれほど難しくないわけですから、あとは潜在的なRLSの患者さんをいかに医療機関に結びつけるかに尽きると思います。そのためには、やはりGP(General
Practitioner)の先生方にRLSの疾患認知度を高めていただいて、専門医にご紹介いただくという仕組みづくりが重要になってきます。RLSの診断がつけば大半の患者さんは薬物療法により良好にコントロールできますので、かかりつけ医のクリニック・病院において継続して治療を受けることが十分可能だろうと思います。大切なことは、かかりつけ医と専門医が連携して対応できる仕組みを早く構築することです。
留学先のマニトバ州立大学の睡眠障害センターでは、このGPと専門施設の医療連携システムがうまく構築されていました。GPから紹介されてくるRLS患者さんは、事前に血液検査によって二次性のRLSが除外されているのですが、これは同センターがGPとの診療連携において疾患啓発を高める活動を積極的に展開してきた賜物だろうと思います。また、同センターでは紹介されたRLS患者さんの治療の道筋がつけばすぐにGPに戻して、GPがその後の治療継続を行うというように、診療連携システムとして有効に機能していました。日本でもこのようなRLSの診療連携システムが構築されることが望まれます。当クリニックは岐阜市に開業してまだ日が浅いですが、岐阜県においてGPの先生方との医療連携システムを築いて、RLSを含めた地域の睡眠医療に貢献できるよう取り組んでいきたいと考えています。
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